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下門美春さんに聞く、ランニングの「知りたいこと」PART2
2026.09.04
サブ3:45、35km失速、距離走。
自己ベスト更新を目指すランナーへ、下門美春さんに聞く実践的な練習法。
長距離ランナーとして競技の世界で走り続けてきた下門美春さん。現在は本業の傍ら、イベントや大会のゲストランナー、ランニングコーチとしても活動しています。
下門美春さんへのインタビュー、全3部構成のうち第2部。
この記事では、記録更新を目指すランナーに向けた練習の組み立て方、フォームの改善、距離別のアプローチを5つのテーマで紹介します。
平日にあまり走れない市民ランナーが、どうやってサブ3:45のような目標を狙うのか。35km以降に失速しないための考え方、レース前の実業団流の練習サイクル、そして1.6km・ハーフ・フルなど距離ごとに変わる走り方まで。競技者としての経験に基づいた、実践的なヒント集です。
サブ3:45を目指す練習法、35km以降の失速対策、レース前の練習サイクル、そして距離別の走り方。
平日走れなくても、
サブ3:45は目指せる?
ここからは、もう少しレベルアップしたランナーに向けたお話。
現在の自己ベストが3時間47分。サブ3:45を目指しているものの、平日は走る時間が取れず、月間走行距離が100kmほどに減ってしまったというランナーから相談がありました。
下門さんが提案したのは、平日と週末で練習内容を分ける方法。
平日は短いジョグにショートダッシュなどを組み合わせて刺激を入れ、週末にはスピード練習と翌日の距離走を行います。
そして何より大切なのが、距離を踏むこと。
サブ3:45まで残り2分という場合、単純にスピードを上げることだけではなく、動き作りや体の使い方を改善することでもタイムを縮められるといいます。
35km以降に
失速しないためには?
フルマラソンで多くのランナーが苦しむのが、35km以降。
ここで下門さんが大切にしているのが、
という考え方です。
たとえば、それまで3分30秒/kmで走っていたとして、苦しくなったからといって一気に4分00秒/kmまで落ちてしまうのではなく、3分40秒〜3分45秒/kmあたりで自分から調整する。
「追い込まれてペースが落ちた」のではなく、「自分でペースを調整している」と考えることがポイントです。
タイムをコントロールしているのは自分。
そう思えるだけでも、苦しい場面でのメンタルは変わってきます。
レース前は
どんな練習をする?
ここで紹介する練習サイクルは、毎日走ることに集中できる実業団・プロランナーの場合の例です。
レース3か月前の練習では、ポイント練習を2日続けて行い、1日休む。その後、再び2日続けて行い、2日休むといったサイクルを取り入れていたそう。
スピード練習では400mを20本、10本、200mを15本など。距離走では30km走や40km走を組み合わせます。
レースが近づいたら、練習量をただ減らすのではなく、休養のバランスを変える。
レース10日前には30km走を行い、その後は2日休み、ポイント練習、2日休み……というように、休養を増やして本番に向けてコンディションを整えていきます。
大切なのは、調整期に「練習の質」を落としすぎないこと。
ただし、こうした練習内容は競技レベルや走力によって大きく異なるため、初心者がそのまま取り入れるのではなく、自分のレベルに合わせて調整しましょう。
1.6kmを速く走るには?
長距離は苦手だけれど、1.6kmのリレーマラソンをできるだけ速く走りたい。
そんなランナーには、長距離とは少し違った考え方が必要です。
1.6kmは、ほぼ短距離に近い感覚。
ポイントは、「突っ込まないこと」です。
速く走ろうとすると前のめりになりがちですが、上体はまっすぐ、やや前傾しながら起きている状態を意識。
そして重要なのが、接地時間を短くすること。
ストライドを無理に広げなくても、足の回転数=ピッチを上げることでスピードを出すことができます。
イメージは、
の連続。
練習では400mインターバルなどのスピード練習を取り入れ、長い距離を走るよりもスピード持久力を高める方向に重点を置きます。
ハーフからフルマラソンへ。
どう練習する?
ハーフマラソンを完走できても、「このあとさらに20km以上走るなんて無理」と感じる人は少なくありません。
下門さんも、ハーフとフルは別競技と話します。
使う体の感覚や、必要な持続力が大きく異なるため、ハーフを走れたからといってフルを同じ感覚で走れるとは限りません。
ただし、ハーフを走れるのであれば、ペースをコントロールすることでフルマラソンに挑戦することはできます。
30km走はしっかり、40km走は「お試し」
練習では30km走をしっかり行い、40km走は「40kmってこんな感じなんだ」と体験するような感覚。
40kmを本番のように追い込む必要はありません。
また、30kmを一定のペースで走るだけでなく、「時間で走る練習」もおすすめ。
たとえばキロ7〜8分ほどのゆっくりしたペースでも構いません。
重要なのは、
を経験しておくこと。
フルマラソンでは、体力だけでなく途中で「もう止まりたい」と思う瞬間もやってきます。
そんなときに、動き続けられる自分をつくっておく。
ただし、長時間のランニングは暑い時期には危険を伴うため、気温や体調には十分注意しましょう。
次は「RACE」編へ、いよいよ最終回。
ここまでは、記録更新を目指すランナーへ向けた練習の組み立て方をお届けしました。
最終回の第3部「RACE」編では、いよいよ本番当日にどう臨むかを伺います。レース前日の食事、走っているときの頭のなかで流れる音楽、苦しい場面で「力を抜く」ためのメンタル。そして最後に、下門さん自身が実際に着ているINFITのウェアもご紹介します。
「本番で力を出し切る」ための、下門さん流の考え方が詰まっています。
下門 美春
女子長距離ランナー。実業団での競技活動を経て、現在は本業の傍ら、イベントや大会のゲストランナー、ランニングコーチとしても活動している。
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